リオ五輪が財政難で開会ピンチ!過去開催地の中止や赤字額は?

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出典:財団法人日本オリンピック委員会

6月17日、ブラジルのリオデジャネイロ州が、深刻な財政危機に直面していると宣言しました。

このままでは五輪開催も十分に責任を果たせないばかりか、

治安や医療、公共交通といった日常生活に必要なものまで維持できない状況にあるそうです。

2020年に東京五輪が決まり、

五輪開催に伴う財政面での負担は大きな議論となっています。

日本もすでに直面している問題です、詳しく見ていきましょう。

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リオ州の財政状況

五輪が開催されるのはリオ市ですが、

治安や公共交通はリオ州が管理しています。

そのリオ州が財政難に陥ってしまいました。

BRICSブラジル

ゴールドマン・サックスの2050年の予測GDP(2007年予測)です。

2050GDP
出典:2050年の世界各国GDP予測値 (ゴールドマン・サックス2007)

ブラジルは上のグラフが示すように、

将来は世界経済の中心の一つとなることが予測されていました。

ブラジルは南米最大の面積を持ち、

広大な農地と豊富な資源が強みです。

また、ブラジルは世界最大のサトウキビの生産国です。

サトウキビは砂糖に加工されるほか、

近年注目を集めているバイオエタノールの原料にもなります。

エコで安価なバイオエタノールは近年注目を集めており、

ブラジルはバイオエタノールの世界への輸出拡大を狙っていました。

ブラジルの経済の停滞

BRICSの一つに数えられるブラジルですが、

2015年、2016年(4月まで)は経済成長率がマイナスとなってしまっています。

原因は最大の貿易国中国の景気の減衰による輸出(需要)の減少と、

それに伴う資源価格の低下で、約半額まで下がってしまってます。

ブラジルの経済が悪化したのは約30年ぶりです。

リオ州もブラジルの経済悪化の影響を受けてしまったのでしょう。

リオ州の状況

リオの街は現在シャッター街になってしまったところも多く、

活気が無い状況だそうです。

五輪を前に消費が拡大すると思われた家電量販店も、

テレビは電源をきっての展示となっています。

景気が落ち込めば税収にも影響します。

リオ州の財政も悪化し、

  • 公務員の給与が未払い(教員によるストライキも発生)
  • 州立病院の休業(妊婦が病院から追い出される事態に)
  • 警官の数が減っている(犯罪の増加・治安悪化)

など、人々の生活にも影響してしまっています。

財政難は五輪に向けての準備にも悪影響しており、

州が約2900億円をかけて建設した地下鉄4号線の開通が五輪開幕4日前の8/1にまでずれ込む見込みということです。

五輪開催は儲からない

五輪の準備や開催に必要な資金には、

スポンサー料やチケットの売上があてられます。

もし、経費が収入を上回った場合には市や国が補填するという仕組みです。

今回のリオ州の場合には財政難によりさらに経費を抑える必要が出てきました。

経費削減策としては、「テスト大会」の無観客試合などが挙げられます。

これは観客の誘導などにかかる費用を抑え、経費を削減することです。

しかしこれでは本番の五輪で実際にどのように観客を誘導するかなどが確認できません。

これも一つの五輪に係る責任で、

それが果たせない状況にあるというのがリオ州の現状です

過去五輪大会の赤字額

国際大会の誘致には「経済効果」があるといわれます。

たとえば

  • 五輪招致のためのインフラ整備は、雇用創出になる。
  • 五輪招致のアピールは都市の広告効果となり貿易増につながる。
  • 五輪開催時には観光客がお金を落としてくれる

という経済効果はあるわけですが、

  • インフラを整備しても五輪後には役に立たないことが多い。
  • 9.11以後は大きなイベントではテロ対策の費用が大きくなってしまっている。

となり、結局赤字になってしまうことも多いです。

ここで過去の五輪の収支を見てみましょう。

歴代オリンピックの収支

  • 1984年ロサンゼルス(アメリカ・夏):プラス1000億円
  • 1988年カルガリー(カナダ・冬):プラス30億
  • 1988年ソウル(韓国・夏):プラス660億円
  • 1992年アルベールビル(フランス・冬):マイナス70億円
  • 1992年バルセロナ(スペイン・夏):マイナス400億円
  • 1994年リレハンメル(ノルウェー・冬):マイナス700億円
  • 1996年アトランタ(アメリカ・夏):プラス11億円
  • 1998年長野(日本・冬)プラス45億円
  • 2000年シドニー(オーストラリア・夏)プラス350億円
  • 2002年ソルトレイクシティ(アメリカ・冬):プラス70億円
  • 2004年アテネ(ギリシャ・夏):プラス180億円
  • 2006年トリノ(トリノ・冬):マイナス350億円
  • 2008年北京(中国・夏):プラス150億円
  • 2010年バンクーバー(カナダ・冬):マイナス4400億円
  • 2012年ロンドン(イギリス・夏):マイナス1580億円
  • 2014年ソチ(ロシア・冬):プラス23億円

(金額は為替換算を含み、推定値も含むため参考値です)

オリンピックの運営は1984年のロサンゼルス五輪で大転換が行われます。

それまでの五輪大会は税金をかけて行うもので、赤字が当たり前でした。

そのため人気もなく、他に立候補のなかったため開催地となったロサンゼルス大会です。

ここでは税金を使わず民間資金により大会を運営

結果2億5000万ドルもの黒字を達成します。

ここから五輪は経済的にも魅力のある

「金のなる木」

とされてきました。

しかし近年ではマイナス収支の大会が多く、

かなり運営がうまくないと、

場合によっては大赤字になってしまいます。

大会前から財政難のリオ州です。

テロ対策やその他の費用がかかり、

その捻出はとても厳しい状況です。

放送権料等でどれだけまかなえるのでしょうか。

東京五輪も問題山積です。

すでに当初の見積もり予算が6倍になってしまったという報道もあります。

テロ対策など外せない費用は、心配すればするほど膨らむものです。

予算を抑えつつ最高のパフォーマンスを実現することが求められます。

過去の五輪中止の事例

リオ五輪はもう直前中の直前です。

ここから中止となることはまず無いと思いますが、

過去に五輪大会が中止となった事例を見ていきます。

大会中止となった五輪大会

  • 1916年ベルリン(ドイツ帝国):第一次世界大戦により中止
  • 1940年札幌(日本):日中戦争中で国内外から反対される→1938年に返上
  • 1940年東京(日本):札幌と同様に1938年に返上→フィンランド・ヘルシンキでの開催が予定されるが第二次世界大戦により中止
  • 1944年コルティーナ・ダンペッツォ(イタリア):第二次世界大戦により中止
  • 1944年ロンドン(イギリス):第二次世界大戦により中止→1948年に繰越開催されている

中止はいずれも戦争によるものです。

経済的な事情での中止はありませんね。

リオ州が財政難で五輪開催が困難という宣言に対して

ブラジルのテメル大統領代行は緊急支援を表明しました。

詳細は17日と18日に財務相と協議の上決定するということです。

まとめ

ブラジル国内も、ルセフ大統領の弾劾や、経済停滞など大変な状況です。

しかし、ここから巻き返し、

リオ五輪を成功させるしかありません。

4年後の東京五輪に対しても批判的な意見はありますが、

こちらはまだ4年あります。

十分な協議をして先に繋がる大会にしていきたいですね。