
6月25日、AIIBの第1回年次総会が開催されました。
現時点では57カ国の参加ですが、2017年には81カ国となり、
参加国数ではADBの規模を上回ります。
とうとう動き出したAIIBについて簡単な解説をしていきます。
AIIBとは
AIIBは「エー・アイ・アイ・ビー」と読み
これは”Asian Infrastructure Investment Bank”の頭文字です。
日本語にすると「アジアインフラ投資銀行」となります。
アジアインフラ投資銀行の目的
AIIBの目的は
資金が十分でないアジア諸国に対し
インフラ(空港や鉄道など)の開発支援をすることです。
AIIBの情報と特徴
- 本部:北京
- 資本金:1000億ドル
- 初代総裁:金立群氏(中国)
- 参加国:現在57カ国(2017年には81カ国になる予定)
- 特徴:総裁は中国人が務める、事実上の拒否権が中国だけにある
現在の活動
2016年6月25日に開催された第1回年次総会では
以下の融資先4箇所が承認されています。
- バングラデシュの送電システム 1億6500万ドル
- インドネシアの生活インフラ 2億1650万ドル
- パキスタンの高速道路 1億ドル
- タジキスタンの道路 2750万ドル
ついに銀行としての活動が本格化しました。
AIIBに日本が参加していない理由
日本はAIIBに参加していません。
その理由は
- 中国の影響力が大きく、運営が不透明
- 国際金融機関としてはADB(アジア開発銀行)がすでにある
- (不参加のアメリカに合わせた)
とされています。
日本やアメリカは中国の影響力の増大を危険視しています。
AIIBは中国の影響力が大きい銀行となるため
日本やアメリカ不参加を決定したとも言われています。
イギリスのEU離脱がAIIBの加盟国を増やす理由
日本やアメリカと違いイギリスは
中国の経済力を利用しようと考えていました。
それはイギリスが中国から離れているためです。
G7の中で最初にAIIBへの参加表明をしたのもイギリスです。
そして今回こそのイギリスがEU離脱となりました。
今後はEUとのつながりが薄くなる分
中国とのつながりを強化していくことが予想されます。
これがAIIBの影響力を高め、
加盟国を増やすことになると言われています。
今後のAIIB
6月25日、鳩山由紀夫元首相がAIIBの顧問要請を受けていることが分かりました。
狙いはAIIB参加を見送る日本に参加をさせるためと言われています。
AIIBはADBと比べると、
まだ国際金融機関としては十分な経営基盤を持っていません。
ADBと肩を並べる国際金融機関になるためには
日本の協力が不可欠ということです。
今後は日本人を幹部職員として採用したり、
日本企業に対するプロジェクトの参加要請など、
日本との関係強化に取り組んでいくと見られています。
AIIBは当初、日本を仲間はずれにするためのものと言われていたので、この点は意外ですね。
まとめ
- AIIBはアジア地域のインフラ整備の金銭的手助けをする銀行
- 中国が大きな影響力を持つ
- 参加は現在57カ国、2017年には81カ国になる予定
- イギリスがEUを離脱すれば中国と関係強化、そしてAIIBも影響力が増す
- 経営の不透明で、ADBもあるため日本は不参加(アメリカも不参加)
- AIIBとしては日本にも参加してほしい
アジアのインフラ整備のための銀行ですがアジア地域以外からの参加も多くあります。
これは関係を強化することで自国が利益をれられると判断したためと言われています。
日本の不参加や、AIIBの経営の問題など議論する点は多くありますが、
まずは、世界の国々が自国の利益のために、
これまでの地域連合などを抜けだそうとしている
という状況を知っておくとが重要です。
今後もイギリスのような離脱や独立の動きは高まっていくと考えられます。